AIで入札情報収集を効率化!「Labid」で業務工数を大幅削減

みんなのサービスをもっと広げるメディア「POPCORN Lab」のシリーズ企画『事業開発Journey』では、事業成長の裏側にあるストーリーに迫ります。

今回は、Nehan株式会社 代表取締役 鶴巻 百門さんにインタビューを行いました。同社が開発した「Labid」がどのように誕生し、進化を遂げてきたのか、また今後の展望について詳しくお伺いしました。

「Labid(ラビッド)」とは?

自治体・官公庁向けに営業を行う企業に対して、入札情報の収集をAIを用いてサポートするプラットフォームです。AIによる案件検索・レコメンド機能や入札情報の要約機能により、営業担当者様の業務効率を大幅に向上させることができます。2024年10月28日にベータ版をリリースしました。

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目次

入札情報の収集を、AIがサポートするプラットフォーム

サービス概要を教えてください!

鶴巻さん:「Labid(ラビッド)」は、AIを活用して、事業内容に合致した入札情報を提供するサービスです。
自治体や官公庁向けの営業を行う企業様を対象としており、入札参加数の増加と情報収集の工数削減を同時に実現しています。特に「物品・役務」と呼ばれる領域をカバーしており、プロモーション案件を受託する企業様や、マーケティング支援を行う企業様を主なターゲットとしています。

– サービス名はどのように思いついたんですか?

鶴巻さん:最初は「BidLab(ビッドラボ)」という名前を考えていました。「Bid」は英語で入札を、「Lab」は図書館を意味しており、入札情報を集約した図書館のようなイメージです。しかし、あまりピンとこなかったため、「Labid(ラビッド)」と反転させました。また、「Rabbit(ウサギ)」という言葉にもかけています。入札に参加することで、ウサギのように業績が跳ね上がることを願っています。

「いかに入札情報を探す時間を削減できるか」を重視

– 主な機能について、設計時に特に重視された点はありますか?

鶴巻さん:いかに入札情報を探す時間を削減できるか、という点を重視しました。私たち自身も、入札情報を探す過程で「膨大な時間を費やしても見つからない」あるいは「見つけても情報量が多くて読み取るのが大変」といった課題に直面していました。こうした課題を解決することを軸に設計を進めています。

– ユーザーからのフィードバックで印象に残っているものはありますか?

鶴巻さん:従来の方法では、通知される案件の大半が自社に関係のないものでした。たとえば、1週間で1500件近い通知が来る中で、実際に参加できるのは3件のみというケースもあったそうです。私たちのサービスによって、この工数を大幅に削減できるとの声をいただき、自分たちの仮説が正しかったと実感しています。

一方で、情報量に関する課題もあります。「情報を絞り込むことで案件数が減り、重要な案件を見落としているのでは」という不安の声をいただくことも。このバランスをどう取るかが今後の課題です。

サービス開発のきっかけは、自ら感じた課題

– どのような経緯で起業されたのですか?

鶴巻さん:共同創業者の木嶋は大学の同級生で、同じゼミで地域行政を研究していました。お互いに地域行政や政治に関する課題意識を持っており、その後それぞれIT企業でキャリアを積んでいきました。私は、前職ではCRMを提供するスタートアップでセールステック領域のCS業務を担当していました。「ITと行政」という領域で何か事業ができないかと考えたのが、会社設立のきっかけです。

– 開発に至った背景を教えていただけますか?

鶴巻さん:当社は現在4期目ですが、1期目と2期目は教育委員会向けのシステム開発に取り組んでいました。しかし、二つの大きな課題に直面しました。一つは、スタートアップが実績のない状態で教育委員会に営業を行うことの難しさです。もう一つは、自治体への営業に必要な入札情報自体が非常に探しにくいという問題です。

こうした課題を踏まえ、教育委員会に直接システムを提供するより、他の企業が入札に参加しやすい環境を整えるほうが大きなインパクトを生み出せると考えました。また、自分たちが入札情報を探す中で感じた課題を解決することを目指し、入札情報サービスの開発を始めました。

「プロダクト開発から始めない」ことを意識した開発プロセス

– 具体的な開発プロセスについて教えてください

鶴巻さん:なるべく「プロダクト開発から始めない」ことを意識しました。初期の頃は、私と共同代表の木嶋で手作業で入札情報を集め、それをスプレッドシートにまとめてお客様に提供しました。「こういう形でアウトプットされたら便利ですか?」とヒアリングを重ね、手作業で価値を検証し、確信が得られた段階でプロダクト化に進みました。

– 開発を進める中で、特に苦労された点は何ですか?

鶴巻さん:私と木嶋はビジネスサイドのバックグラウンドで、プロダクト開発の経験がありません。そのため、開発の優先順位付けやエンジニアとのコミュニケーションで苦労しました。結果として、エンジニアの方々に負担をかけてしまう場面もありました。現在は、VPエンジニアの方に参画いただきましたが、それまでは友人のエンジニアに業務委託の形で開発を進めていました。

– 現在の課題について教えてください。

鶴巻さん:AI分野の専門家が不足していることが課題です。AIを活用したサービスを展開しているため、より専門的な知識を持つ方に参画いただける環境を整えたいと考えています。

– 今後のアップデートや注力したい領域について教えてください。

鶴巻さん:情報収集をより簡単にし、自社に適した案件を見つけやすくする機能の強化を進めています。また、現在は業務工数の削減を主な価値として提供していますが、今後は売上向上に直結するサービスの開発にも注力していきます。加えて、集客や案件情報の効率的な収集にもAIを活用し、さらなる改善を図ります。

「Labid」をGovTech市場を盛り上げるプラットフォームに

– IPOなど、長期的なビジョンについて教えてください

鶴巻さん:内向きなモチベーション、たとえば「100兆円企業を作る」「必ずIPOをする」といった目標にはあまり興味がありません。それよりも、社会の課題を解決し、より良い方向に進めていくという外向きのビジョンを持つ方々と一緒に仕事をしていきたいと考えています。

行政の領域を民間の力で良くすることに注力し、現在は入札マーケットに取り組んでいますが、将来的にはBtoC展開や行政全体の課題解決にも取り組む予定です。

公共営業やGovTechの分野はまだ成長の余地が大きく、私たちはその市場を盛り上げるプラットフォームとなることを目指しています。

「Labid」で効率的な入札案件獲得を実現しよう!

鶴巻さん、インタビューへのご協力を誠にありがとうございました!
ご自身が感じた課題を、AIの力で解決に導こうとする姿勢が非常に印象的でした。

入札情報サービス「Labid」は、自治体・官公庁向けの営業担当者様の業務効率を大幅に向上させるサービスです。
自治体・官公庁向けの営業効率を上げたい方は、ぜひサービスを活用してみてください!

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ノーコード x AI駆動開発が得意な株式会社Walkersでは、成果が実証されたノウハウをもとに、事業を成功に導くための事業開発支援を行っています。新規事業・システム開発でお悩みがある方はお気軽にご相談下さい。

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この記事を書いた人

Web / UIデザインを軸としたフリーランスとして活動。設計から実装まで一貫してWebサービスの開発に携わる。その後、システム開発会社を3年間経営し、売上1億円を達成。COOとして、業務効率化、組織設計、新規事業開発に注力。メディア出演多数。

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