みんなのサービスをもっと広げるメディア「POPCORN Lab」のシリーズ企画『事業開発Journey』では、事業成長の裏側にあるストーリーに迫ります。
今回は、株式会社WeGlobal 代表取締役の周さんにインタビューを行いました。同社が開発した「Xborder Works」がどのように誕生し、進化を遂げてきたのか、また今後の展望ついて詳しくお伺いしました。
「Xborder Works（クロスボーダーワークス）」とは？
日本から海外、海外から日本へのクロスボーダー事業（新規事業開発・スタートアップ）に特化した複業マッチングサービスです。国境や組織の壁を越えて働き、価値創造する可能性を広げることを目指しています。個人の方は複業を通して自身の強みを活かしてクロスボーダーに活躍でき、法人の方は新しい採用手法や組織づくりを取り入れることができます。
クロスボーダー事業に特化した複業マッチングサービス
– 「Xborder Works」の特徴を教えてください！
周さん：日本から海外、海外から日本へのクロスボーダー事業（新規事業開発・スタートアップ）に特化した複業マッチングサービスです。
いきなり転職ではなく、複業を通してプロジェクトベースにまずは関われるような仕組みを取り入れています。そうすることによって、雇用という枠から外れて、場所や時間も融通を効かせた形で、世界中からいろんな人が参画できるというのが特徴になっています。
– このサービスはどのような思いから生まれたのですか？
国境や組織の壁を越え、働く人々の可能性を広げ、価値を創造するためにXborder Worksを開発しました。
個人の方には、複業を通じて自身の強みを活かし、クロスボーダーに活躍できる機会を提供したいと考えています。正社員として働きながら複業をする方、フリーランスの方、起業家の方など、どのような立場の方でもご利用いただけます。私自身も複業メンバーとして参加することが可能です。
このサービスでは、プロジェクトごとに必要な役割を果たせるかどうかを最も重視しています。必要な経験と強みがあり、求められる時間内で課題解決ができれば、正社員やフリーランス、主婦といった立場に関係なく活躍できると考えています。
– 法人ユーザーの利用シーンはどのように想定されていますか？
周さん：今までにない新しい採用手法や組織づくりの手法を取り入れ、新規事業や海外事業にチャレンジしている企業様に使っていただきたいです。
法人側は、チーム作りの意味で採用が難しかったり、新規事業をやるには限定された人しかできないという課題があります。誰でもできるわけではないし、誰でもやりたいわけでもありません。そこで、より柔軟な手法をとってもらって、どんどん前向きに新規事業にチャレンジしていただくきっかけを作りたいと思って、このサービスを作りました。
– ユーザーからのフィードバックはいかがでしょうか？
周さん：個人ユーザーの方々からは非常に良い反応をいただいています。「やってみたいけど、こういう働き方がなかった」という声が多いですね。コロナを経てワークスタイルが大きく変化し、時間的にも場所的にも新しい取り組みがしやすくなったのが特徴だと感じています。
また、食べるための仕事と、自分のやりがいを追求する仕事を分けて考える方が増え、仕事の意味が多様化してきたという実感もあります。ライフワークバランスを重視した新しい働き方が広がっているように思います。
3ヶ月でプラットフォーム化を実現
– ベータ版リリースまでの開発期間はどのくらいだったのでしょうか？
周さん：3ヶ月ですね。海外のオフショアチームとコラボしてもらいました。私自身はエンジニアではないので、もう一人プロダクトマネージャーのメンバーがいて、一緒にコンセプト設計をしています。
– 短期間での開発だったのですね！プラットフォーム化されたきっかけはありましたか？
周さん：これまでの3年間は、クロスボーダー企業の人材紹介や、海外で働きたい方の転職支援、スタートアップの採用支援に取り組んできました。その経験を活かし、今回、自社サービスの開発に踏み切りました。
「正社員採用が前提」という従来の枠にとらわれず、多様化する働き方に対応できる仕組みを作りたいと考えています。個人が自分のプロフィールをアピールし、自らの選択肢を広げられるような環境を整えることで、ユーザーの皆さんにより多くの価値を提供できると考えました。
また、属人性を減らし、プラットフォーム上にナレッジを蓄積することで、AIを活用した課題解決が可能な仕組みを目指しています。
– 実装されている機能について、特に工夫されている点はありますか？
周さん：従来の人材サービスで重視されていた学歴や年齢といったカテゴリーを排除した設計にしています。基本的には、自分の専門領域や得意分野、対応可能な言語に絞った情報で評価できる仕組みです。
また、国境を越えて採用することを想定し、稼働時間やリモートで働けるかどうかをフィルタリングできる機能も取り入れています。従来の固定観念やバイアスを最初から排除し、その人の実力や課題解決能力をしっかり見てもらえるように設計しています。
– 「Xborder Works」の今後のアップデートについて教えてください！
周さん：現在はシンプルなマッチング機能を提供していますが、将来的には、国境を超えて人材の検索、契約、決済、プロジェクト管理を一気通貫で行えるGlobal HR Techプラットフォームを目指しています。
個人ユーザーも企業も、自分が探したいプロジェクトや人物に円滑にマッチできるよう、設計をさらに強化していきたいと思っています。
事業開発を行う上で直面した2つの課題
– リリースまでに特に苦労された点はありますか？
周さん：今回の開発は海外のオフショアチームとコラボしたのですが、要件定義の最終調整のところは苦労しました。こちらのプロダクトマネージャーが想定していたものが、相手から最終的に提出していただいたものと少しずれがあり、修正する必要がありました。
– 現時点での課題についても教えてください。
周さん：個人ユーザーや法人ユーザーをしっかりと見つけ、登録してもらい、このサービスを活用していただくことが、現在の最優先課題です。
個人の方はオンライン手法でサービスについて知っていただくアプローチを取っております。法人の方はイベント出展や過去の顧客ベータベースより開拓を広げております。法人側の課題として、越境 x 複業という人材ソリューションがまだまだ認知されていないため、新規事業や海外展開など特定の課題に対して、利用上のメリット/デメリットを説明した上で、人材のソリューションを提案するようにしております。
そのため、企業様に納得していただけるような提案をしっかりと用意し、「これなら大丈夫」というソリューションを提供していきたいと考えています。
– 具体的には、企業様にどのような提案をされているんですか？
周さん：会社ごとに状況は異なりますが、どちらのケースにも対応する可能性があると思います。一人の単発だけが必要で、課題が明確な場合は、その人をつなぐだけで十分です。何かあれば対応しますという形で問題ないと思います。
一方で、初期段階から一緒に何かを作り上げていくプロジェクトの場合は、弊社が最適なマネージャーをアサインすることで、事業全体がスムーズに進行するようサポートします。このように、状況に応じて柔軟に対応できる体制を整えています。
「越境をおもしろく、可能性をあたらしく」
– 事業開発において大切にされている考え方について教えてください！
周さん：私たちが大切にしているのは、「越境をおもしろく、可能性をあたらしく」というミッションです。ボーダーを超えることを一つの重要な価値観として掲げています。
企業と個人が複業という形でコラボするとき、その成功はコラボレーションの質にかかっていると思います。特に、日本人、インド人、中国人といった異なる文化背景を持つ人々が集まる、いわゆるハイコンテクストな環境でも円滑に協働できるサービスを作ることが求められると考えています。
– 「越境」がキーワードなんですね！
周さん：私たちが「越境」という言葉を使うのには理由があります。社名が「WeGlobal」なので、以前はアイデンティティとして「グローバル」を掲げていましたが、今年その方向性を刷新し、「越境」という概念を強調しました。
国境を越えることだけでなく、組織や場所などの枠組みを超え、新しい価値を創出することが私たちの目指す「越境」です。これは、地方と海外を結びつけるような新たな可能性にもつながると考えています。
– 未来の働き方について、どのようなビジョンをお持ちでしょうか？
周さん：日本では「人手不足」と言われていますが、私はそれを必ずしもそうとは思っていません。むしろ、人手不足という課題は転換期に来ていると感じています。AIやロボットの発展により、あと5年もすれば人が暇になる時代が来るのではないでしょうか。実際、すでに時間を持て余している人も増えていると思います。
将来的には、週休3日や4日といった制度が広がり、人々が働く必要のない世界が訪れると考えています。その中で、人間が担うのはクリエイティブな仕事や、自分にしかできないユニークな役割です。重複可能な仕事は自動化され、人間が価値を発揮する領域も変化していくと思っています。
「Xborder Works」で越境する可能性を広げよう！
周さん、インタビューへのご協力を誠にありがとうございました！
国境や組織などの壁を越えた、新しい働き方を支援されている姿に大変感銘を受けました。
クロスボーダー事業に特化した複業マッチングサービス「Xborder Works」は、個人の方の強みを活かしたクロスボーダーな活躍や、法人の方の新しい採用手法・組織づくりを支援するサービスです。
新しい働き方に挑戦したい方、新しい採用手法、組織づくりの手法を取り入れたい企業様は、ぜひサービスを利用してみてください！
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